民主党

子ども手当

2009年の総選挙で民主党のマニフェストの目玉となった「子ども手当」。
中学校卒業までの子ども全てに1ヶ月あたり26,000円、初年度のみ13,000円を支給するとしていました。
子ども手当の財源へ充てるため、扶養控除を一部廃止して配偶者控除を廃止しました。
扶養控除の中でも老親等の扶養控除と地方税分だけ残します。
しかし国税の子どもへの扶養控除380,000円と配偶者控除の380,000円が廃止されてしまいます。
子どもがいる家庭では子育てのためのお金が家計の負担となるため子ども手当自体は評価すべきものでした。
しかし財源調達の方法が他になかったものかと疑問に思うところです。

 

民主党側の主張としては、控除を廃止にして手当として配分することは低所得者へ配慮したということです。
それは手当の場合は金額が一律で支給されますが、扶養控除や配偶者控除に関しては高所得者の方が有利になるからです。
例えば、380,000円の扶養控除を同じように受けたとしても、高所得者の減税額は10万円以上になりますが、低所得者の減税額は2万円以下にしかならないからです。
そのため扶養控除をやめて子ども手当とすることで低所得者ほど有利になるわけです。

 

しかし問題が2つあります。
1つは、「課税最低限」についての問題です。
課税最低限とは、年収に応じて支払う所得税のことです。
つまり課税最低限が低いほど低所得者には厳しいのです。
もう1つは配偶者控除の廃止です。
中学生以下の子どもがいない世帯の場合、税負担が増えるのです。

 

 

 

 

 

子ども手当は結局中学生以下の子どもがいない65歳未満の専業主婦世帯で納税をしている世帯の税負担が重くなる仕組みになっています。
民主党の子ども手当は、子どもがいない世帯あるいは子どもが中学校以上の専業主婦世帯を狙っていることになります。
子どもに対しての手当なのに、子どもがいなくても共稼ぎの世帯の場合は増税になりません。
そして専業主婦世帯では何人の子どもを育てていても配偶者控除されたことで増税となってしまいます。
ちょっとおかしな話だと思います。
子ども手当と扶養控除を考えて低所得者に優遇するのはいいことだと思います。
しかし配偶者控除の廃止については子育て費用問題とは別問題のような気がします。
それでも民主党は配偶者控除を廃止したのです。

 

民主党が専業主婦世帯を狙った理由は明確にされていません。
しかしおおよその見当はつきます。
専業主婦世帯の場合は、暮らしが裕福だと考えて増税してもかまわないという判断だと思います。
しかし暮らしが裕福でお金持ちだという例はありません。
お金持ちの人の場合は、たいてい自分で会社を持っていて、その役員をしているからです。
実際に中学生以上の子どもがいて専業主婦をしている人を見ていくと、親の介護があるとか、子どもに障害があるとか、いろんな事情があって専業主婦をしている人が多いのです。
このような人たちから配偶者控除をなくしてしまうとかなりの痛手です。
専業主婦世帯にポイントをしぼるのはもう少し考えた方がいいと思います。


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