民主党

民主党政権がうまく官僚をつかいこなすことができない理由や背景について考えてみます。
民主党はマニフェストで公約した政策のほとんどが実現できていないこと、東日本大震災や原発事故の混乱から、民主党政権の厳しい批判が増えています。
しかしこれは民主党政権のことだけではなく、長い間続いた自民党政権による影響もかなりあるのです。
それは自民党政権下での「政官関係」の特殊性に関係があります。

 

一般的に多くの人が考える政治家と官僚の関係としては、政治家が国の重要な課題や国民生活のために政策の方向性を示します。
そして官僚が専門知識を駆使して情報収集と分析を行って具体的な対策を考えて政治家へ提示するというものです。
そして政治家が総合判断を下して政策を決めていくといった形だと思います。

 

こういった関係性はドイツやイギリスなどの議会において一般的に行われていることです。
これができるのは官僚が政治家と接触するときに一定の距離感を保っているからです。
なぜならば、官僚と与党の関係が密になりすぎると、政権が交代したとき新しい与党に役職を追われてしまうかもしれないからです。
与党が新しくなっても役職を維持していくために常に中立的な立場を保つ必要があるのです。

 

それが日本の自民党政権下では、官僚は与党である自民党と一体となって政策立案をしてきました。
そのためだんだんと利権誘導を求めてくる業界などが絡んできて、自民党と官僚と業界と学会のネットワークが強固になって既得権益が生まれたのです。
これによって政策立案が社会の課題解決を目的としたものではなく、既得権を死守することが目的となってしまったのです。
このような仕組みは欧州の議会制にはなく特殊なものです。

 


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